• DATE:
  • 2012.07.10
  • 気づいた事、発見した事

  • TITLE:
  • 第66回「縁の下への取り組み」 F.W

エルダー世代とか呼ばれるような年齢になりますと、若いころとは異なった見方ができるようになってきます。

変化は人それぞれに異なりますが、私にとって一番大きな変化は、仕事や人生に対するテーマの変化でしょうか?
若い頃に抱いていた、生涯1技術者でありたいと言う想いに変わりはないのですが、これは有名なキャッチャーの方が引退会見で述べられた、「生涯、1捕手」という名言にも大きく左右されています。

それが年齢を高じると徐々に、次代にリレーしたい、次世代を育てたい、と言う想いへと変化してきます。

子育てとは趣の異なる、次世代の育成、難しいテーマの一つです。
仕事でも地域でも、我々のような世代が常に頭を悩ます問題でもあります。
地域であれば、伝統を担う次世代・後代の育成・・・、自治会の運営であったり、夏祭りなどの伝統の継続であったり、身近なテーマですからある程度は皆さんも類推して頂くことが可能と思います。

ではこれが、会社組織になると、どう変化しなければならないのでしょうか?

会社組織は職制に従って指揮命令系統で動く部分と、個人の創意工夫に基づく部分、主として管理職が組織全体を調整するコーディネーターの部分・・・と、様々な役割が交差・同期して機能しなければなりません。

これらと共に従来から行われてきた次世代の育成は、体育会的な先輩・後輩の関係に基づくものであったり、いわゆるKKD(経験・勘・度胸)的な手法で事足りる職種や、KKDをベースに改善されたケースがあるものの、システマティックに構築された手法というレベルになると、やはりCMMIなどによる組織の熟成度レベルなどにも影響されるわけですが、第三者から見て測定可能=効果を判断可能なものでないと、変化の激しい現代には対応できません。

人と組織と言う切り口では、CMMIがまだCMMと呼ばれていた頃を含めて、PeopleCMMと言う手法がかなり古くから存在し、CMMI同様に測定可能な手段を提供していますので、人と組織を育成する方面では重宝されているケースも多いようです。

さて、長々と能力熟成度モデルについて引用させて頂いたのは、それが次世代の育成、と言う部分に強く関与するからです。

ただ単に教育と言っても、社内組織で行う以上、会社から見て効果のあるものでなければ意味がなく、我々のような技術的な会社となれば、管理も重要な側面である一方で、技術的なスキルアップが非常に重要となってきます。

口頭報告だけで「レベルアップしました・・・」と言う言い方が通用したのは、古き良き高度成長時代から1980年台にかけてまでで、1990年代から始まった資格取得の動きは、2000年台以降は保持スキルを証明する物差しとして、各種資格の取得がクローズアップされているのは、皆さんも御存知のとおりです。

スキルアップに対する考え方の詳細は、別の場で改めてお伝えしますが、そういった次世代育成を担うのも、我々のような世代の重要な責務だと考えています。

結構古くから異なる場でも、同じような内容を時々の関係者に向けて発信していますが、スキルアップは会社としての必要事項であると共に、皆さんの生活を守る手段でもあります。

これも良く古くから引用させて頂く書籍ですが、クレイトン・クリステンセン博士が著した「イノベーションのジレンマ」という有名な書籍で詳細に説明されている如く、革新的な技術で大企業が崩壊する例は後を絶ちません。

ICT業界に身を置く限り、今日のやり方(考え方、業界の主流など)は1年後には必ず変わっている、非常に変化の激しい世界です。
1つの技術に依拠し過ぎると、非常に革新的な新技術で市場があっという間に席巻され、非常に手痛いしっぺ返しが大企業を待ち構えていたのです。

また、仕事の進め方も、エリヤフ・ゴールドラット博士が著された「ザ・ゴール」などで示されるような、TOC(制約条件)に基づく問題解決手法なども広く世の中では利用されています。

現代では、技術だけでは不足する、(技術者としての)時流を見定める目と、制約条件の厳しい案件を如何に乗り切るかが鍵になると感じています。
 ⇒引用した手法は一例です。何事も1つに拘り過ぎると、足元を掬われます。
 ⇒未来には未来の手法が登場し、問題もまた常に変化し続けます。

それらの諸問題を解決に導くための「取っ掛かり」を次世代に提供するのが、「縁の下」である我々のような世代の役割ではないかと思う今日この頃です。

この記事はワタシが書きました。

システム部

匿名希望

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